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乳化とはどういうこと?必要な理由や使い方を解説

「乳化とはどのような現象なのか」「どういった状態なのか」と気になる人は多いのではないでしょうか。乳化は、様々な作業の大切な工程の一部となり、多くのメリットがあります。この記事では乳化の解説はもちろん、必要な理由や使い方も詳しく紹介するため、ぜひ参考にしてみてください。

乳化とは

乳化(エマルション)とは、2つの混ざりにくい液体、特に油と水などを混ぜ合わせる工程のことです。
例えばドレッシングを使用するとき、容器の中は乳化している状態といえます。
ドレッシングの材料は油と酢でできているため、容器の中で2層に分かれています。
使用するときには容器を振って油と酢が混ざり合った状態です。
しかし時間が経過すると、容器に入っているドレッシングは2層に分かれてしまうでしょう。
油と水が均一に混じり合い、乳化した状態をキープしたい場合「乳化剤」という特殊な物質を使用することでこの工程が促進されます。
例えば材料に油と酢と卵を使用するマヨネーズの場合、卵が乳化剤となり、油と酢が乳化した状態をキープできます。
マヨネーズのほかにも、乳化された食品は以下が挙げられます。

  • パウンドケーキ(バターと卵の乳化)
  • ガナッシュや生チョコ(チョコレートと生クリームの乳化)
  • ペペロンチーノ(オリーブオイルとパスタのゆで汁の乳化)

食品以外にも化粧品やクレンジングなど、様々な場面で乳化は活用されています。

乳化のメリット4つ

乳化とは、本来ならばなかなか混ざりあわないものを混ぜ合わせることです。
乳化することによって以下のようなメリットが存在します。

  • 材料が均一に混ざる
  • 感触や食感がなめらかに感じられる
  • 製品が長持ちする
  • 体内に効率よく吸収される

それぞれ解説します。

材料が均一に混ざる

材料が均一に混ざり合わないと油と水が分離してしまい、油っぽく感じてしまうでしょう。しかし、乳化させることですべての材料が均一に混ざり、おいしさが増加します。
例えばシェイクを作るときに、乳化させることでフルーツの味や色が全体に広がり、おいしくなります。
このように均一に混ざることによって、よりおいしさや良い香りが増すといえるでしょう。

感触や食感がなめらかに感じられる

乳化させたものはなめらかになり、口当たりが良くなったり、肌に塗ったときにさらっとした質感になったりします。
例えばチョコレートと生クリームが分離した状態では、ザラザラした食感があり、口触りが悪く感じてしまうでしょう。
一方乳化したチョコレートと生クリームは、なめらかな口溶け食感に仕上がります。

製品が長持ちする

乳化させるときに乳化剤を使用することで、中の成分が分離しづらくなり、製品が長持ちします。
乳化剤の使用は、製品の老化を防ぎ、品質と持続性を維持する重要な手段です。
乳化剤を使用すると、水と油が混ざり合い、製品全体が均一な状態を保つことができます。
一方乳化剤なしでは、時間が経つと水分と油分が分離し、製品の品質が低下してしまうでしょう。
また、乳化剤は製品内の酸化反応を抑制します。
酸化は製品が古くなったときに、色が変わったり、味が落ちたりする要因のひとつです。
特に油分は酸化しやすいため、乳化剤があると酸化を防ぎ、製品の風味や色を長持ちさせることができます。

体内に効率よく吸収される

乳化は一部の医薬品の効果を高めるための重要な工程となり、油溶性の成分を水と混ぜることで、消化・吸収が容易になり、成分の効果を最大限に引き出します。
また乳化によって成分の表面積が広がり、消化液との接触範囲が増えます。
ほかにも、乳化の程度を調節することで、一部の医薬品が体内で溶ける速度を制御し、効果をタイミング良く発揮することが可能です。
このように乳化は、一部の医薬品の効果を増強し、持続させるための重要な手段といえます。

乳化させる方法

乳化させる方法は、大きく分けて以下の2つです。

  1. 混ぜる、かき回す、振る
  2. 乳化機器を使用する

それぞれ詳しく解説します。

混ぜる、かき回す、振る

乳化する際の一般的な方法は、「混ぜる」「かき回す」「振る」などの簡単な動作が基本です。
これらの方法は、家庭で乳化する際によく用いられます。
例えば、マヨネーズを作るときや、パスタを作る際にオリーブオイルとゆで汁を組み合わせるときなど、一般的な料理でも乳化は頻繁におこなわれます。
さらに、自家製のマヨネーズを作る時には、酢、油、卵を適切に混ぜることで乳化させます。
また、パウンドケーキのような菓子を作る際にも、バターと卵をしっかりと混ぜることで成分を乳化させます。

ほかにも乳化は調理法によって、以下のようにポイントが異なります。

  • チョコレートと生クリームを乳化させるときには生クリームを温める
  • バターと卵を乳化させるときには少量ずつ混ぜ合わせる

このように、どの材料をどのように混ぜ合わせるかを理解しておくことが重要といえるでしょう。

乳化機器を使用する

乳化機器の代表格である「ホモジナイザー」は、液体の中に含まれる微細な粒子や液滴を強力に混ぜ合わせ、より小さな粒子や液滴に分散させて液体全体を均一にする機械です。
ホモジナイザーは、乳化処理が必要な製品を製造している工場で、多く使用されています。
ホモジナイザーを使用することで、物質の分子を均一化したうえで混ぜ合わせることが可能です。
ホモジナイザーは食品だけでなく、化粧品や医療品の製造でも多く活用されています。
また一般的な家庭でも使用される乳化機器ではフードプロセッサーやハンドブレンダーなどが挙げられます。

乳化をしないと食感が悪くなる場合がある

乳化しないと、製品の食感が悪くなることがあります。
例えばチョコレートと生クリームを乳化する場合、温めた生クリームでチョコレートを溶かすことによって、なめらかな食感と見た目になります。
しかし乳化できずに混ざり合っていない場合、ザラザラした食感や口溶けの悪さがあります。
見た目にも粒ができている状態となり、なめらかではありません。
このように乳化しないと食感が悪くなり、見た目にも影響がでてしまうため、「乳化」する作業は大切だといえるでしょう。

乳化の使い方

乳化は食品だけでなく、化粧品や農業など様々な使用方法があります。
それぞれ詳しく解説します。

食品

食品の乳化は、なめらかにしたい場合に使われます。
おもに以下の食品に使われています。

  • ソース
  • マヨネーズ
  • ドレッシング
  • アイスクリーム など

このほかにも多くの食品の製造過程で乳化が使われています。
乳化により成分が均一に分散し、結果として製品はなめらかな食感を得られるでしょう。

化粧品

化粧品でも乳化は頻繁に使用されます。
クリームやローションは、油分と水分を均一に混ぜ合わせて作られます。
乳化により、これらの製品は肌になじみやすく、有効成分を肌に効果的に届けることが可能です。
またクレンジングでも、乳化することで効果を発揮できるでしょう。
クレンジングを肌になじませたあと、水を2、3滴ほど手に取り、これをクレンジングが塗布された肌に軽くなじませます。
すると白く濁り、乳化した状態となります。
クレンジングを乳化することで汚れが浮きやすく、短時間で洗浄できるため、肌への負担も軽減できるでしょう。

農業

農薬や肥料の効果を最大化するためには、散布が均一であり、適切な分散性が求められます。これを実現するのが「乳化」です。
農薬や肥料は水と油性成分が混ざっています。
しかし、これらは自然状態では混ざり合わず、効率的な散布が困難です。
乳化することで、水と油性成分がより密着し、農薬や肥料はより均一に広がり作物に効率よく届くようになります。
このように、乳化は農薬や肥料の散布効果を高め、作物に対する効率と効果を最大化し、一定の品質と収穫量を確保することが可能となります。

まとめ

乳化は、食品、化粧品、農業など、多くの産業で幅広く利用される重要な工程です。乳化により、様々な成分を均一に混ぜ合わせ、製品の品質を向上させることが可能となります。乳化の理解と適切な活用は、産業製品の品質向上に寄与します。
乳化という言葉は一般の家庭ではあまり使われませんが、普段の生活の中で無意識のうちに乳化を利用しています。
料理を作る際に材料を混ぜ合わせる行為も、実は乳化の一環です。
乳化には、食品をおいしく長持ちさせる効果があり、現在では生活に欠かせない工程のひとつといえるのではないでしょうか。

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