ドライイーストは、微生物である酵母だからこそ使用時や保存方法に注意が必要です。ここではドライイーストとは何か、ドライイーストと生イーストの違い、ドライイーストの注意点や代用品、開封後の保存方法を解説します。
ドライイーストとは
イーストとはパンを発酵させる酵母です。微生物の一種である酵母が糖分に反応し、発酵することでパンが膨らみます。
イーストには、生イーストとドライイーストとインスタントドライイーストの3種類があり、一般的に使われているものは正確にはインスタントドライイーストです。
なお、本記事のドライイーストはインスタントドライイーストを指します。
ドライイーストの製造工程は以下の通りです。
- パンに適した酵母を種菌にし、培養する
- 糖蜜の培養液でイースト菌を増殖する
- イースト菌を遠心分離で培養液から分ける
- 水洗いで不純物を除き、クリーム状にする
- 脱水機で水分を除き固形にする(生イースト)
- 生イーストをフリーズドライで乾燥させ顆粒状にする(ドライイースト)
ドライイーストと生イーストの違い
ドライイーストと生イーストの違いは、水分量と形状です。イーストの状態が異なるため、保存期間や発酵の早さにも違いが出ます。
ドライイースト | 生イースト | |
---|---|---|
製造法 | 生イーストをフリーズドライにしたあと粉にする | イースト菌を培養後、水切りし固形にする |
色・形状 | 黄土色・顆粒 | 明るめの黄土色・粘度のある塊 |
特徴 | 発酵が遅い 長期保存が可能 糖分に弱い 予備発酵が不要 |
発酵が早い 保存期間が短い 低温に強い 予備発酵が必要 |
保存期間 | 約2年(未開封) 冷蔵で約1ヶ月(開封後) 冷凍で約半年(開封後) |
冷蔵で約2週間(未開封) 冷蔵で約2~3日(開封後) |
適したパン | 食パン 高く膨らませたいパンなど |
菓子パン ソフトパン バターロールなど |
ドライイーストの使い方
生イーストは予備発酵が必要ですが、食品売り場で販売されているドライイーストは予備発酵なしですぐに使用できます。
ホームベーカリーの場合、専用ゾーンに入れるか強力粉の後に塩と水分に触れないよう投入します。手ごねの場合も先に強力粉にドライイーストを混ぜた後、塩と水分を加えてこねましょう。
ただし、ドライイーストに溶け残りが出た場合、以下のようなパンになるため注意が必要です。
- イースト菌のにおいが残り、パンの風味が落ちる
- パンの膨らみが弱くなる
- 顆粒が目立ってしまう
ドライイーストの注意点
ドライイーストは水に溶けにくく、特に卵や牛乳を多用したパンではより残りやすくなります。
そのため、以下のようなパンを作る際にはドライイーストを先に溶かしてから投入するのがおすすめです。
- 水分量が多く、生地がゆるいパン
- 水分量が少なく、粉が多いパン
- こねる時間が少ない時短パン
- 牛乳、卵、バターが多いパン
ドライイーストを溶かす方法
イースト菌は冷たい水に弱いため、常温の仕込み水で溶かしてから混ぜましょう。
- 常温の水または牛乳にドライイーストを振りかける
- ドライイーストがふやけるまで、数秒間待つ
- 泡立て器でよくかき混ぜる
なお、牛乳は水よりも溶けにくいので、牛乳に仕込む場合はふやかす秒数と、かき混ぜる時間を長めに取りましょう。
ドライイーストの代用品はある?
ドライイーストと同じ膨らむ作用があるもので代用は可能です。ただし、ドライイーストとは食感や風味が異なるので、代用品の特徴を理解して使いましょう。
ベーキングパウダー
ベーキングパウダーには重曹と酸性剤が含まれており、水分と熱を加えることでガスが発生して膨らみます。おもにお菓子作りに用いますが、パンに取り入れた際の特徴は以下の通りです。
- 発酵時間が不要なため短時間で作れる
- 食感が軽くサクサクしている
- クイックブレッド系のパンに適している
天然酵母
天然酵母もドライイーストと同じく、酵母が発酵して膨らみます。しかし、ドライイーストは人口酵母に対し、天然酵母は果実や穀物にいる酵母菌を自然発酵させたものです。
パン作りに適した酵母を集めたドライイーストに対し、天然酵母には様々な酵母が含まれるため以下の特徴があります。
- 発酵力が弱い
- 長時間発酵により深い風味が出る
- 食感にもちもちさと噛みごたえが出る
- ハード系のパンに適している
ドライイーストの保存方法
ドライイーストは未開封の場合、常温保存が可能です。ただし、開封すると酵母が空気に接触し活動を始めます。
常温の環境では酵母の活動が進んでしまうため、最小限に抑えるためにも冷蔵庫もしくは冷凍保存をします。開封後の保存方法は以下の点に注意してください。
- 密閉して空気に触れないようにする
- 高温多湿を避ける
- 冷蔵庫で保存する
- 冷凍保存の場合は発酵力が落ちる可能性がある
まとめ
ドライイーストとは微生物の一種である酵母です。酵母が糖分に反応し、発酵することでパンが膨らみます。
ドライイーストには、生イーストとドライイーストがあり、購入しやすいものはドライイーストです。ドライイーストは予備発酵が不要な反面、水に溶けにくい性質があります。溶け残りを防ぐ際は、常温の仕込み水で溶かしてから投入しましょう。
ドライイーストは未開封なら約2年、開封後は冷蔵で約1ヶ月、冷凍で約半年間の保存が可能です。
また、ドライイーストの代用品にはベーキングパウダーと天然酵母があります。ドライイーストとは違う食感や風味が楽しめるので、レシピに合わせて選ぶのもおすすめです。