「自分で作ったお菓子をネット販売したい」、「副業としてお菓子を売りたい」。ネットショップでお菓子を売っているのを見かけたことがある人もいるでしょう。可愛らしい見た目や、おしゃれなデザインのネットショップを見ると思わず購入したくなったり、お菓子作りが好きな人であれば自分で販売してみたくなったりするかもしれません。本記事では、お菓子をネット販売するために必要な準備や手順を解説していきます。
お菓子のネット販売を始めるために必要な準備
作ったお菓子をネットで販売するためには、食品衛生責任者と菓子製造業許可が必要です。これらの資格と許可があることが前提条件です。
食品衛生責任者
食品衛生責任者は、飲食店や食品を取り扱うお店を運営するにあたって必要な資格です。ネット販売でも同様でお菓子をはじめとする食品を作り販売するためには食品の安全性確保のために必須となっています。
食品衛生責任者は
①食品衛生関連の法令を遵守し、施設や業務全般の衛生管理を行う
②従業員に対し、衛生教育を行う
③食品衛生上の危険がありそうな場合、改善を提言・促進する
という役割があります。
食品衛生責任者の資格を取得するためには、有している資格により免除される場合と養成講習会を受講して修了するかのどちらかです。
食品衛生責任者の講習会を受ける場合の受講費用は、教材費込みで12,000円、1日で受講できその日のうちに修了証が渡されます。
所有する資格によっては、講習会を受けずに食品衛生責任者の資格を取ることができます。下記がその資格です。
- 調理師
- 栄養士
- 製菓衛生士
- 船舶料理士
- 屠畜場法に規定する衛生管理責任者
- 屠畜場法に規定する作業衛生管理者
- 食品衛生管理者または食品衛生監視員の資格要件を満たすもの
いずれかの資格を有している場合は、講習を受けなくても食品衛生責任者の資格を取得できます。
菓子製造業許可
自分で作ったお菓子を販売する場合、菓子製造業許可のあるキッチンで作る必要があります。許可がないのに販売してしまうと営業停止や最悪の場合、行政処分や処罰の対象になりかねません。菓子製造業許可はパンや和菓子、洋菓子、飴などを製造し販売する際に必要な許可となっており、製造する場所を管轄としている保健所に申請します。
これらの前提条件が満たされた上で、お菓子をネット販売するための準備に進むことができます。
ネット販売のメリット
お菓子のネット販売は、ネットならではのメリットがいくつか存在します。順に確認していきましょう。
在庫の管理が行いやすい
後述する販売サイトにもよりますが、モール型ネットショップや専用のプラットフォームを利用すれば、現在の在庫数や期間を区切っての販売数を確認できます。その都度何が売れたかをカウントするより手間がなく確実なので、実店舗の販売よりも在庫管理がしやすいと言えるでしょう。
全国各地から購入してもらえる
ネット販売の最大のメリットといえば、遠方の人でも購入できる点が挙げられます。また、営業時間を気にすることなく購入者は注文できるのもメリットでしょう。家のことや仕事でなかなか買い物に出かけられない人は、ネットで注文する人も増えています。ネットショップは24時間営業しているので、いつでもどこでも購入できるのも魅力のひとつです。
商品の情報を細かく伝えられる
ネット販売では、商品の写真や説明は重要なポイントです。様々な角度から撮られた写真を掲載することで、より魅力が伝わりやすくなります。また、商品の詳しい情報や伝えたい思いなどがあれば、商品ごとに説明文を記載できるので、購入者に伝えたいポイントやこだわりを提示できるのもメリットと言えるでしょう。
ネット販売のデメリット
ネットで販売するにあたって、メリットだけではなくデメリットもあります。どのような点がデメリットになるのか確認していきましょう。
実物が見られない
実店舗と違い、商品の写真や説明文を事細かに書いても実物がないとなかなか購入に踏み切れない人もいます。ショーケースのなかにたくさん入って並んでいるのを見るとあれもこれも購入したくなりますが、ネット上の写真だけだと商品の魅力を感じにくい人や、実物を想像しにくい人も少なくありません。
また、商品によっては実店舗で試食を行っているところもあります。味見をした上で気に入ったから購入するという流れがないため、味についてわかるように工夫をする必要があります。
輸送中の破損
厳重に梱包していたとしても、輸送時に破損してしまう可能性があります。徒歩で購入し持ち帰るより車や航空便で輸送する方が振動や衝撃は大きいため、繊細な商品は割れてしまうケースも考えられます。破損をできるだけ回避できる梱包を心がけてください。
送料が発生する
ネット販売は配送業者に依頼し荷物として届けます。送料が必要になるため、その分商品代金に上乗せしたり、別途請求したりしなくてはなりません。近くの実店舗に比べて合計金額が高くなるため、人によっては高くなるなら購入は控えようと考えてしまう人もいるでしょう。
販売サイトを決める
販売に向けて、どのサイトでお店を開設するかも決めておきましょう。自分たちで一からホームページを作成して開設するか、販売用のプラットフォームを利用するかの選択になります。
自分たちで一から作る
自分たちで一から作成する場合、高度な知識を求められる場面があります。ECパッケージや、オープンソース、フルスクラッチなどが一から作るサイトに該当します。これらは、サイト制作に必要な基礎知識と専門的な知識があってはじめてネットショップとして形になります。今までサイトを作った経験がない場合は、一から作るよりもプラットフォームを利用して作る方がおすすめです。
ショッピングカートASPを利用する
ショッピングカートASPは、簡単にネットショップをはじめられるプラットフォームで、サーバーの用意をしなくても良い、準備期間も短い間でできるなどのメリットがあります。BASEやSTORESもショッピングカートASPに該当します。またMake Shopやカラーミーショップもこれに当たります。
売れるために考えなくてはならないこと
ネットショップを開設しただけでは、すぐに注文は入りません。掲載している写真や、サイトの見せ方、デザインなどを統一させコンセプトがわかるようにサイト自体を整える必要があります。また、お店ならではのオリジナリティを出すために、パッケージにこだわりをもったりブランド化させたりするのも重要となってくるでしょう。
注文が入った際に、スピーディーに発送するための方法や流れも考えておく必要があります。注文したのに何週間も音沙汰がないと購入者は不安になりますし、リピーターとして訪れなくなってしまいます。注文管理をどのようにするか、確認体制はどうするのかも事前に決めておきましょう。
また、在庫管理も大切です。商品の在庫だけではなく、発送に必要な梱包資材の在庫にも注意してください。自分のお店のロゴが入った梱包資材を使用しているのであれば、なくなる前に用意しなくてはなりません。ギフトボックスやメッセージカード類も同様です。
時期によってはキャンペーンやその季節にあった商品を出して、目玉商品を作るのも良いでしょう。年単位で計画し、サイトに訪れた人が楽しみ購入したいと感じるようなネットショップを作り上げることで自ずと集客に繋がってくることもあります。
まとめ
お菓子のネット販売には必要な資格や許可だけではなく、事前に考えたり準備したりしなくてはならないことが多々あります。商品の在庫だけではなく、発送に必要な梱包資材やギフトボックス、メッセージカード類にも気をつけたいところです。軌道に乗るまでの時間は個人差がありますが、必要なものがなくて発送できないということがないように、お店の開設前に念入りに準備しておきましょう。
梱包資材やギフトボックスは、ネットで購入するのが手軽でおすすめです。これらの購入はぜひダンボールワンで検討してみてください。