食品トレーや梱包資材として使われている発泡スチロールは 燃えないゴミ、資源ゴミ、プラスチックゴミなど、自治体によって処分の方法がさまざまです。ここでは発泡スチロールの仕分け方や処分方法、処分するときの注意点をまとめています。正しい発泡スチロールの捨て方を、ぜひ知っておきましょう。
発泡スチロールの種類
発泡スチロールは大きく3種類に分けられます。ひとつは緩衝材や冷蔵目的で使われる梱包用、もうひとつは食品用、最後に住宅の壁や床材などに使われる建材用です。それぞれの特徴を解説します。
梱包用
梱包用は、家電やおもちゃなどを購入した際に、ダンボールの中で動かないように固定するために入れられた専用の発泡スチロールや、新鮮な魚や肉を持ち運ぶための発泡クーラーボックスといった大きな塊タイプの発泡スチロールを指します。表面にビーズのような、丸いつぶつぶ模様が見えるのは、原料のビーズを発泡・成型して作られるためです。このタイプの発泡スチロールは「EPS」と呼ばれています。
食品用
スーパーのお惣菜や魚・肉など、様々な商品に使用されている食品トレイも、発泡スチロールでできています。発泡スチロールの原料を薄く伸ばし、トレイの形に抜き出して作られています。このタイプは「PSP」と呼ばれています。
建材用
建材用は、壁や床の断熱材に使われるような発泡スチロールのボードを指します。成型がしやすく、長期にわたって断熱性能の劣化が少ないため、建材として一般的です。発泡スチロールの原料を大きな板状に成型する作り方で、「XPS」と呼ばれています。
発泡スチロールの分別・処分方法
使い終わった発泡スチロールの処分方法は各自治体によって異なりますが、大きく分けると、資源ゴミ・燃えるゴミ・燃えないゴミに分かれています。まずは住んでいる地域の分別方法を確認してみましょう。
各自治体で処分
多くの自治体ではプラスチック製容器包装ゴミとして、包装用プラスチックやパックとともに分別されています。一部の地域では燃えるゴミや資源ゴミとして分別されているところもあります。
プラスチック製容器包装で分別する地域
札幌市・仙台市・福島市・東京(港区・新宿区・中野区など)・横浜市・名古屋市・大阪市・鹿児島市など、多くの自治体が発泡スチロールをプラスチック製容器包装ゴミとして分別しています。基本的には汚れのある容器は洗って乾かしてからゴミとして出しますが、汚れが取れないものは燃えるゴミにする、シールやラベルは取らなくても大丈夫など、各自治体で細かなルールがあるので、ゴミを出す前に自治体のゴミに関するWebサイトでチェックしておきましょう。
燃えるゴミで分別する地域
燃えるゴミ(可燃ゴミ)として分別している地域もあります。さいたま市(最大の辺が90cm以上は不可)・千葉市(指定袋に入らないものは粗大ゴミ)・東京(北区・渋谷区・墨田区など)・福岡市などは燃えるゴミとして分別されるので、家庭から出る一般ごみと一緒に出せます。
資源物で回収する地域
東京・太田区、江東区、葛飾区などは缶やビン、新聞・ダンボールなどと一緒に、資源物として回収しています。納豆のパックや弁当容器、汚れの取れないものは燃えるゴミとして分別するなど、各自治体で細かなルールがあるので、必ず確認しておきましょう。
リサイクルボックス
発泡スチロールの食品トレイは、多くのスーパーやショッピングセンターで無料回収をしています。入り口や外などにリサイクルボックスが置かれており、使い終わったトレイを回収してくれます。リサイクルボックスには、キレイに洗って乾かしたものだけを入れるようにしましょう。
大きな発泡スチロールの処分方法
家具や家電の梱包用やクーラーボックスタイプなど、大きな発泡スチロールは、そのままゴミに出しても回収してくれないことがあります。不用品回収業者でも回収してくれますが有料となるので、可能であれば自治体のゴミとして処分できるよう、カッターナイフやスチロールカッターなどで小さく切って、袋に入れて処分しましょう。
発泡スチロールを処分する際の注意点
有料ゴミ袋が指定されている自治体では、かさ張る発泡スチロールを捨てるとき、できるだけ小さくしてゴミ袋に入れたいですよね。しかし、切ったり小さくしたりする際には注意も必要です。
掃除機を使わない
カッターナイフやハサミで発泡スチロールを切っていると、切りくずが発生します。とくにビーズ上のつぶつぶを成型したEPS発泡スチロールは、切ったところから粉やつぶつぶが出てきやすく、静電気で色々なところについてしまうことがあります。このとき、掃除機で切りくずを吸い込むのはNG! 掃除機内に発泡スチロールが張り付いてしまい、中のフィルターが詰まってしまうことがあります。発泡スチロールの切りくずは、粘着テープや粘着クリーナーで掃除しましょう。
自宅で燃やさない
発泡スチロールを燃やしたり、薬品で溶かしたりすればゴミに出さなくてもOKでは? と思う人もいるでしょう。発泡スチロールは燃やすと二酸化炭素が出てしまい、黒い煙が発生します。これは「すす」なので、自宅の壁が黒くなる可能性があります。また有機溶剤で溶かす方法は、有害ガスが発生する危険があります。溶かした後の溶液も、むやみに捨てることが出来ないので、絶対にやらないようにしましょう。
袋の中で作業する
発泡スチロールを処分しやすいように小さくするには、大きなゴミ袋の中に入れ口をしばり、袋の上から体重をかけて押しつぶすようにして割ったり、砕いたりしましょう。大きいものは、袋に入れる前にカッターナイフやスチロールカッターで切れ目を入れておき、袋の中で砕けば切りくずも出ず、簡単に捨てられます。
発泡スチロールを処分する費用は?
大きすぎて自治体のゴミの日に出せない場合は、不用品回収業者に有料で処分してもらうことになります。業者や大きさによって費用はそれぞれですが、大体1キロあたり80~110円くらいの費用がかかります。ひとつだけでは回収してくれない場合もあるので、ほかの不用品と一緒に処分してもらうといいでしょう。
まとめ
発泡スチロール製品は素材が単一なものが多いため、リサイクル特性に優れています。処分しにくいと思われがちな発泡スチロールはきちんと分別し正しく処分することで、新たな発泡スチロール製品や資源として生まれ変わることができる、環境へ配慮された資源です。自治体のゴミルールをしっかりチェックしておきましょう。
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