梱包材の代表格ともいえる気泡緩衝材は、「プチプチ」「エアーキャップ」「エアパッキン」「エアクッション」「エアマット」など、様々な名称で呼ばれています。
物は同じなのに、なんでいろいろな呼び方があるの?と疑問を持たれる方もいるかと思いますが、実はメーカーによって商品名の商標登録が異なっており、様々な呼び方があるのです。
ここでは、気泡緩衝材を製造しているメーカーと、各メーカーがつくっている製品の特徴を紹介していきます。
気泡緩衝材のメーカー① 川上産業株式会社
「プチプチ」を商品名として商標登録している川上産業株式会社は、1968年に創業し、東京に本社がある緩衝材・梱包材の製造会社です。
日本独自で初めて気泡緩衝材を製造・販売した会社で、現在でも約60%のシェアを占めています。
「くうきとともだち」をテーマに、用途にあわせて約100種類もの「プチプチ」を製造していることが特徴で、一般的なプチプチのほかに、ハート形のプチプチの「はぁとぷち」や、日本酒やワインを包装する浮世絵柄のプチプチ「浮世絵ぷちぷち」、プチプチを潰す専用に開発された「プッチンスカット」など、ユニークな商品もラインナップされています。
また、プチプチの包むだけではない活用法や、様々な可能性を追求する「プチプチ文化研究所」を運営するなど、面白い取り組みにも注目したい企業です。
気泡緩衝材のメーカー② 酒井化学工業株式会社
酒井化学工業株式会社は、梱包資材を中心としたプラスチック製品のメーカーで、1963年に設立された会社です。
酒井化学では「エアーキャップ」や「ミナパック」という商品名で商標登録されています。
酒井化学には特許を取得した独自の商品があることが特徴です。
一般的なエアーキャップのほかに、はさみやカッターを使わずに手で簡単に切ることができる「ノンカッターパック」や、ミナパックの片面に特殊樹脂の粘着剤をつけた「ノンテープパック自粘さん」などがあります。
「ノンテープパック自粘さん」は、ガムテープやOPPテープを使用しなくても密着梱包が可能なため、作業時間の短縮やコストの削減ができます。
気泡緩衝材のメーカー③ 株式会社ジェイエスピー
気泡緩衝材を「キャプロン」という商品名で商標登録している株式会社ジェイエスピーは、食品の包装容器から住宅用断熱材、自動車部品をつくっている発泡樹脂メーカーです。
1962年に創業し、国内だけでなく北米やヨーロッパなど世界各国に事業を展開してきました。
キャプロンは、工業用品や家電の緩衝材として使える一般的なタイプをはじめ、ホコリや汚れに強い「帯電防止タイプ」や、プチプチの空気が抜けてしまうことを防ぎ、緩衝性を長期間維持できる「ナイロンタイプ」などがあります。
ナイロンタイプは安定した緩衝性能があるため、長距離輸送の梱包材として活用されています。
また、原料となるポリエチレンに持続性帯電防止剤が練りこんである「持続性帯電防止タイプ」は、「帯電防止タイプ」よりさらに高機能な帯電防止機能があることが特徴で、しっかりと帯電防止したい製品や、汚れが気になる製品に使われることが多いです。
気泡緩衝材のメーカー④ 株式会社和泉
株式会社和泉は愛知県名古屋市にある気泡緩衝材の製造販売会社です。
もともとは漬物屋の家業から工業製品の製造へ転換したという異色の企業で、1976年に設立し、「エアセルマット」の商品名で商標登録されている気泡緩衝材の製造を中心に行っています。
エアセルマットは一般的な商品をはじめ、様々な形状に加工された商品や、クラフト紙やダンボールがラミネート(張り合わせ)された商品がラインナップされています。
また、気泡部分を六角形(ハニカム構造)にして気泡の高さを下げることで、緩衝性能を落とさずに省資源化とスマート化を実現した「エコロク」のように、独自に開発された商品もあります。
まとめ
ここまで、気泡緩衝材を製造・販売しているメーカーの紹介をしてきました。
気泡緩衝材の名称が思いのほか多いことに驚かれたのではないでしょうか。
各メーカーは、様々な工夫を凝らした商品を開発し、広い用途に気泡緩衝材を活用できるようにしています。
ただ梱包するだけではない気泡緩衝材の活用法を知りたくなったら、ぜひ各社の商品をチェックしてみてください。
※「プチプチ」「くうきとともだち」「はぁとぷち」「浮世絵ぷちぷち」「プッチンスカット」は川上産業株式会社の登録商標です。
※「エアーキャップ」「ミナパック」「ノンテープパック自粘さん」は酒井化学工業株式会社の登録商標です。
※「キャプロン」は株式会社ジェイエスピーの登録商標です。
※「エアセルマット」は株式会社和泉の登録商標です。