食品の購入は、スーパーやコンビニなどの実店舗以外でも可能になり忙しい人や、外出が難しい人にとって、とても便利なものとなりました。ネットを通しての販売は、遠方に住んでいる人やその商品について詳しい情報を知った上で購入したいというニーズにも応えており、今後も需要は広がっていきます。本記事では、野菜のネット販売に焦点を置き、解説していきます。
ネット販売の需要は高い
野菜のネット販売は、数年前から広がり需要が高まっています。生産者は誰がどのように育てたか、どんな環境で作られたかという情報は、「顔が見える」ため購入者に安心と信頼を与えてくれます。
また、それだけではなく今までは、スーパーや八百屋へしか届けられなかった野菜を購入者へ直接届けることができる販促経路の増加も見込めるのです。遠方に住んでいる人や、食材には拘りたくてもなかなか外出できない人など、野菜のネット販売は多くの見込み客を獲得できる手段です。
なにより、ネット販売を通じて購入者の声を聞くこともできるため、生産者側の励みにもなることでしょう。
野菜のネット販売を行う上でのメリットデメリットとは
需要が高い野菜のネット販売ですが、メリットだらけではありません。多少なりともデメリットが存在します。どのようなメリットとデメリットがあるのか見ていきましょう。
野菜のネット販売を行う上でのメリット
野菜のネット販売のメリットは以下があげられます。
野菜のネット販売を行う上でのデメリット
生産者にとって、野菜のネット販売はメリットが多いと感じたのではないでしょうか。しかし、販売を始めるにあたって、かかるコストや必要な作業が発生します。
- プラットフォームの手数料
野菜をネット販売するために、販売するサイトが必要です。販売サイトは無料でできるわけではなく、月額の利用料が発生したり販売手数料がかかったりします。プラットフォームによって利用料、手数料は異なりますが月々発生すると考えておきましょう。
- 販売サイトへの登録
販売サイトへ写真や情報などの登録をしなくてはなりません。購入者は文字情報だけでも、画像だけでも購入まで至らないでしょう。両方がしっかりと提示されてはじめて、購入してくれます。今まで行ったことがない作業が必要になるので、はじめは手間取ってしまう可能性が高いです。
- 受注管理・発送作業
注文を受けたあとの作業も必要です。注文を受けた商品を揃え、梱包し発送します。場合によっては購入者へ発送連絡や問い合わせ対応等の連絡が必要になる場合もあります。
- サイトの集客
ネット販売をするからといって、購入者がすぐに集まるわけではありません。SNSを駆使したり、広告を打ち出したりして集客しなくてはならないのです。集客には様々な方法がありますが、自分の販売ページを見てもらうために、何らかの策を講じる必要があります。集客に時間がかかりすぐに注文が入らない可能性も高いです。
ネット販売の種類
ネット販売はAmazonや楽天での出品や、個人サイトでの販売の種類は様々です。どの方法で販売するかはメリットデメリットを考えた上で検討してください。
Amazonや楽天などのモール型ネットショップで販売
多くのお店が集まるAmazonや楽天などのモール型のネットショップは、販売登録をすれば商品を売ることができます。ネットで買い物をするユーザーの多くがAmazonや楽天を知っているので、そこから流れてくるため、集客も見込めるでしょう。大々的なキャンペーンやセールを行うときに、便乗すれば宣伝費をかけずに、集客できる可能性もあります。
ただし、月の利用料や販売手数料が個人でサイトを運営するより高くなってしまいます。
また、多くのお店が出品しているため同業者であれば価格の値下げ合戦になってしまい、利益が低くなる恐れもあります。
フリマサイトで販売
メルカリやラクマなどのフリマサイトを使って販売することも可能です。一部の食品は販売NGの対象になっていますが、現状野菜は販売できるようです。
利用料はかかりませんが、販売手数料が発生します。比較的簡単に出品できますが、食品販売になると提出しなくてはならない書類や記載事項が増える場合もあります。
個人サイトで販売
ネットショップを個人で開き販売する方法です。BASEやカラーミーショップなど比較的簡単に登録し始められます。これらのネットショップ作成サービスは、初期費用をあまりかけずに開設できます。フリマサイトや、モール型ネットショップに比べサイトのデザインや構成も自由に決められるので、オリジナリティ溢れるネット販売ができるでしょう。
一方で、サイトを認識してもらうための集客は自分で行わなくてはなりません。SNSで発信して認知度を上げるところからスタートです。
産直販売のプラットフォームで販売
生産者と購入者を繋ぐための産直ECサイトは、近年注目され始めているサービスです。食べチョクやポケットマルシェ、チョクバイBOXなどプラットフォームもたくさんあります。産直ECは、野菜や果物をメインに扱っているので、購入者もそれを求めて訪れます。そのため、大きなモール型ネットショップより目に留まる可能性もあるでしょう。
開設にあたっての初期費用
ネットショップを開設するために、初期費用がかかってしまいます。どの程度初期費用がかかるのか確認していきましょう。(以下金額は2022年9月現在)
Amazonや楽天などのモール型ネットショップ
- Amazon
- 大口出品と小口出品によって金額は異なります。大口出品であれば月間登録料が4,900円、小口出品は無料です。1件購入ごとにかかる基本制約料が大口は無料、対して小口は100円となっています。販売手数料は大口・小口出品ともに8%〜15%です。
- 楽天
- 楽天では、プランが3種類ありそれぞれかかる費用が異なります。 がんばれ!プランは月額出店料が19,500円の年間一括払い、スタンダードプランの月額出店料が50,000円の半年ごと2回分割払い、メガショッププランは月額出店料が100,000円で半年ごとの2回分割払いです。初期費用として、プランに必要な出店料がかかります。
フリマサイト
メルカリやラクマなどの、フリマサイトは月額固定料が発生しません。商品が売れたごとに手数料が発生します。出品に必要な初期費用はかからないので、できるだけ抑えたいという人に向いているかもしれません。
個人サイト
BASEやカラーミーショップもフリマサイト同様、初期費用がかかりません。月額費用・販売手数料もかからないのですが、決済手数料とサービス利用料や振り込み手数料などが必要です。初期費用0円で個人サイトを開設したいと考えている人は、簡単に作成できるBASEやカラーミーショップが良いでしょう。
産直販売のプラットフォーム
- 食べチョク
- 初期費用、月額費用、決済手数料、振り込み手数料は無料です。そのかわり、手数料が顧客支払額の8%〜18%発生します。
- ポケットマルシェ
- 登録料、基本使用料は無料ですが、販売手数料が発生します。販売手数料は売上額の20%で、ヤマト運輸の自動伝票発行を利用する場合は1配送あたり税別87円の伝票発行手数料が別途必要です。
野菜をネット販売する上で必要な申請
野菜をネットで販売するのに必要な申請や許可はありません。しかし、これから農家として事業を始める場合は開業届が必要です。
また、ネット販売するための出品サイトや個人サイトを開設するために必要な準備や書類はいくつか存在します。身元を確認できる書類や出店申し込み書の記載が必要になる場合があります。
販売サイトによって異なるので、申請前に確認し準備しておいてください。
まとめ
ネット販売店の開設には、どのプラットフォームにするか、お店の名前や商品の販売価格を決定する必要があります。これらを決定したのちサイトの見栄えやテーマ、テンプレート等を変えていきます。見た目は自由に変更できるものとできないものがありますが、自由に変更できるのであれば、追々変更し、自分がいちばん良いと思うデザインに変えていくと良いでしょう。
また、開設後野菜が売れた際に必要な梱包資材の準備も事前にしておくことをおすすめします。野菜のネット販売に必要な梱包資材は、ぜひダンボールワンで検討してみてください。
特定のスーパーや八百屋、飲食店での販売しかできませんでしたが、野菜のネット販売を行うことで対個人への販売が可能になります。そのため、売っているお店で購入したことがない、近くにお店がないという顧客を取り込むことができます。
自身の希望価格での販売が可能になります。ほかの競合店とある程度足並みを揃えなくてはなりませんが、安く買い叩かれることも少なく、付加価値をつけられるのであればその分価格を上げることも可能です。
また、業者へのマージンを取られることもないので、その分利益に上乗せできます。
形が整っていないものや、獲れすぎた野菜を格安で販売したりワケあり商品にしたりできます。
無駄なく野菜を販売できる可能性があるため、メリットと言えるでしょう。