家電量販店や家具店などでダンボール箱を持ちやすいよう梱包されていることがよくありますが、そのときに使われているのが「PPバンド」です。本記事では、PPバンドの種類やメリット・デメリットを紹介します。
PPバンドとは
PPバンドは、ポリプロピレンを材質とする荷締め用のバンドです。PPはポリプロピレン(Polypropylene)の略称で、バンドの材質を表しています。PPバンドはいくつかの箱や束をまとめて、ひとつの荷物にするときに用いられるほか、ダンボールの底抜け防止や重たい荷物の持ち手用としてなど、様々なシーンで使われています。
PPバンドそのものは薄い形状ながら材質が硬いので、カッターやはさみを使ってのカットが必要です。カラーは白のほか、青や黄色、透明などのバリエーションがあります。
PPバンドの種類を知る
PPバンドは、大きくわけて梱包用と手芸用があります。それぞれ詳しく解説していきます。
梱包用PPバンド
梱包用PPバンドは、バンドの締め方によって機械締めと手締めの2種類に分けられます。それぞれの違いを見ていきましょう。
機械締め用PPバンド
「梱包機」と呼ばれる専用の機械で締めるバンドです。梱包機を使うことでバンドを自動的に巻きつけられるうえ、バンドの両端を熱でしっかり溶着できるので、出荷量の多い工場や、重たい荷物を扱う物流倉庫などに適しています。
手締め用PPバンド
手動で梱包物に巻きつけ、手で締めるタイプのバンドです。しっかり締めつけた後、専用のストッパーで固定します。機械締め用のバンドを使うと硬くて締めつけにくかったり、手を痛めたりする恐れがあるため、必ず手締め用PPバンドを使いましょう。
専用の機械が不要なので個人でも簡単に扱うことができるほか、出荷量が少ない場合や、家具・家電といった大きな商品の持ち帰りなどにも適しています。
手芸用PPバンド
手芸用PPバンドはかごやバッグ作りなどに使われています。カラーバリエーションが豊富で、赤・白・青・黄・緑・透明などの色があります。梱包用よりも細幅で短いですが、手芸用でもラッピングや梱包への利用が可能です。
PPバンドの用途とは?
PPバンドのおもな用途は荷崩れ防止や荷物の結束、運搬のサポートなどです。積み重ねたダンボールが崩れないようまとめたり、いくつかの商品をまとめてひとつの梱包としたり、荷運びの持ち手として使ったりと、様々な場面で利用されています。
そのため、工場や物流倉庫で多く使われていますが、上記のように個人で荷物を送る際の底抜け防止や、手芸などにも活用されています。
PPバンドのメリット・デメリット
様々な場面で利用されているPPバンドですが、メリットやデメリットもあります。
素材としてのデメリット
PPバンドの素材であるポリプロピレンは、長く紫外線を浴びると劣化してしまいます。少し直射日光に当たった程度では心配ありませんが、荷物が届いたら日陰に置いたり、できるだけ早く荷ほどきしましょう。また、バンド同士を接着しにくいため、専用のストッパーや機械が必要になります。
利用時のデメリット
PPバンドは荷崩れや底抜け防止の観点から強く締めて使われることが多いため、ダンボールなどの外装材にバンドの圧迫跡が残ってしまう場合があります。跡を残したくない場合はPPバンドが当たる部分に角あてとして紙を挟むと良いでしょう。また、締めつけがゆるい場合や、しっかり梱包しきれていない場合、荷崩れによる事故の危険が高まります。破損や事故を防ぐためにも、正しい使い方を心がけましょう。
まとめ
PPバンドは荷物を重ねてまとめるときにとても便利な梱包資材です。また、カラーバリエーションが豊富な手芸用のPPバンドもあり、かごや小物入れなどの工作にも使われています。皆さんも本記事で紹介したメリット・デメリットを参考に、ぜひ活用してみてください。
素材としてのメリット
PPバンドの素材であるポリプロピレンは軽量ながら引っ張りに強く、安価に製造できます。また、耐熱性が高いほか、酸やアルカリ、水濡れにも強い丈夫な素材です。そのため、保管場所や使用時の環境によってバンドが弱まる心配がありません。さらにリサイクルが可能で、焼却してもダイオキシンのような有毒ガスが発生せず、環境にも優しいバンドと言えます。
使用時のメリット
PPバンドは柔らかさを併せ持つので、梱包物に合わせてしっかりフィットさせることができます。また、重量物でも切れにくいので、底抜けや荷崩れを防止できるほか、運搬時の持ち手としても安心です。カラーバリエーションが豊富なので、梱包物による色分けや目印などにも活躍します。