食器や陶磁器をはじめとする割れ物は、短い距離での持ち運びですら注意が必要です。引っ越しや商品の発送時には、入念に梱包しないと輸送時に破損してしまう恐れがあります。
破損リスクを軽減する梱包方法はいくつか存在します。
この記事では、引っ越しだけではなく、商品発送時の梱包方法についても解説していきます。
食器の梱包に使用する緩衝材
梱包に欠かせないのが、緩衝材です。食器の梱包だけではなく、アパレルや雑貨を送る際に水濡れや破損防止にも緩衝材は使用されています。
アパレル商品であれば、水濡れに気をつければ良いので薄葉紙の上にビニールの袋に入れた上で閉じ、発送することが多いでしょう。
しかし、振動で壊れてしまったり、破損してしまったりする可能性のあるものであれば、輸送時に衝撃や振動で壊れないようにするための緩衝材を用いる必要があります。
食器や陶磁器、割れ物の梱包に必要な緩衝材にはどのような種類があるのか確認していきましょう。
プチプチ(エアキャップ)
さまざまな商品の梱包に使用できるのが、プチプチ(エアキャップ)と呼ばれるものです。気泡がクッションになっているので、緩衝材として重宝されています。価格帯も安価なので定番の緩衝材と言えるでしょう。
また、空気を含んだシートとなっているので軽量です。送料はサイズと重さで変わってくるため、できる限り小さく軽量で発送したい場合に適しています。箱入りの商品や精密機械の保護としても利用できるので、幅広く使われている緩衝材です。
ロールや袋タイプ、事前にカットされているシートもあります。サイズや用途によって使い分けると便利です。
更紙・クラフト紙
緩衝材だけではなく、包装紙としても使用できるのが更紙・クラフト紙です。引っ越しや商品配送の隙間埋めとしても使用されています。
素材が紙なので、自然に優しいというメリットもあります。新聞紙で代替できますが、新聞紙の場合、手や商品にインクがついてしまう恐れがありますが、更紙やクラフト紙であればそれらを懸念する必要がありません。
段ボールと商品の隙間を埋める・商品自体の梱包両方に使用できる優れものです。
更紙・クラフト紙もプチプチ(エアキャップ)同様、用途によって使い分けられます。ロールタイプとカットタイプがあるので、梱包する商品やサイズで使い分けると便利でしょう。
エアー緩衝材
透明な袋に入った空気による緩衝材です。ミシン目ごとにちぎって使うこともできるので、箱に対して小さいサイズのものを入れる際に活躍します。
また、緩衝材の中でも処分の際にかさばらないのがエアー緩衝材の最大の特徴とも言えるでしょう。処分時には、空気を抜くだけで容積がかなり減ります。
エアー緩衝材にはサイズがあります。小・中・大があるので段ボールと商品サイズによって使い分けてください。すでに空気が入った状態のものもありますが、大量に使用する場合はエアー緩衝材製造機も存在します。
ミラーマット
割れ物や小物を保護するのに適しているのがミラーマットです。何枚かの平皿を重ねて梱包する際に、使用することができます。引っ越しでたくさんの食器や陶磁器を梱包しなくてはならない時に役立つアイテムとなっています。
軽量でクッション性が高い点が特徴です。
このアイテムも、上述の緩衝材同様ロールタイプとカットされているタイプがあります。
食器の梱包方法
食器や陶磁器、割れ物は梱包を雑にしてしまうと輸送時に割れてしまう可能性があります。そうならないようにするためにも、割れる原因を考慮し、丁寧に梱包する必要があります。
基本的に、割れてしまう原因として考えられるのは以下の2点です。
- 食器同士が輸送時の振動や揺れによりぶつかりあい破損
- 輸送時に外部からの衝撃によるもの
この点に注意して梱包することで、破損を避けられるでしょう。
外部からの衝撃は左右だけではなく、上下からも与えられる可能性があるので、段ボールの底面にも忘れずに緩衝材を敷くようにしてください。
引っ越し時の梱包方法
引っ越しの場合、一つの段ボール内にいくつかの食器や陶磁器を入れて梱包します。
平皿の場合は、新聞紙や更紙・クラフト紙の中央に皿を乗せ、四隅を折り込みたたみ、梱包します。皿同士を重ねて段ボール内に立てて入れると良いでしょう。
もしくは、ミラーマットを皿と皿の間に敷いて何枚か重ねていきます。
ミラーマットを使用する場合、皿と皿の間に緩衝材を挟み、皿同士の衝撃を減らすことによって、輸送中の揺れや衝撃を緩和できます。
普段使いの皿であれば、ミラーマット1枚で問題ありません。しかし中には大きな皿や重さのある皿を梱包しなくてはならない場合もあります。その際は、1枚だけではなく2枚ほどミラーマットを挟むとさらに良いでしょう。
ミラーマットを挟んだ食器や陶磁器は、まとめて一つの塊にしてしまうのがおすすめです。
一塊であれば、輸送時にガチャガチャと動きません。さらにその上からプチプチ(エアキャップ)で覆うことで外部からの衝撃からも守られます。
梱包した食器を段ボールに詰める際にも、ポイントがあります。
食器を段ボールに詰める際のポイント
- 皿は立てて入れる
- 茶碗やコップは伏せて入れる
- 段ボールの上段には軽いものを入れるようにする
- 偏りがないようにバランス良く入れる
- 輸送中に段ボール内で動かないように、緩衝材を入れる
商品発送時の梱包方法
商品として、食器や陶磁器を梱包する場合、その個数によって方法は変わってきます。いくつかまとめるのであれば、引っ越しと同様の梱包方法が良いでしょう。
それ以外の場合であっても、基本的には衝撃で破損しないように気をつけて梱包すれば問題ありません。
商品発送時に気をつけたいポイントとしては、蓋と器がある商品の場合、まとめて梱包するのではなく、蓋は蓋だけで梱包する、器は器で梱包するというところです。
間に緩衝材無しでまとめてしまうと、揺れや衝撃でぶつかり、傷や破損の原因になってしまいます。
また、商品が1つだけの場合、段ボールによっては隙間がかなり空いてしまう可能性も考えられます。
できる限りサイズに合った段ボールを使用するのが一番です。しかし適度なサイズの段ボールがない場合は、隙間を埋めるように緩衝材を入れてください。
商品によっては、段ボールの内側にプチプチ(エアキャップ)を敷き詰めるのも良いでしょう。
輸送時に気を付けてもらう
どれだけ梱包に気をつけたとしても、輸送する際に雑に扱われてしまっては意味がありません。配送業者が一目でわかるように、取扱注意や割れ物注意のシールを貼ったり記載しておくことで、気をつけて配送してもらうことが可能です。
また、上に物を置かないようにしてもらうことも可能ですので、それらのシールやテープを準備しておくと良いでしょう。
食器や陶磁器の梱包に新聞紙はマスト?
食器や陶磁器の梱包に新聞紙を使用する人も少なくありません。特に引っ越しの梱包であれば新聞紙があった方が良いでしょう。
梱包に新聞紙を使用するメリット
梱包に新聞紙を使用するデメリット
新聞紙がない場合は代替品で
新聞紙がない場合や第三者への商品発送をするのであれば、更紙・クラフト紙やミラーマットを使用するのが良いでしょう。
知っておきたい食器陶磁器のサイズ
梱包時には、できるだけ包む商品のサイズに合ったものを使用してください。そのため事前に梱包する商品の大きさがわかっていると良いでしょう。
参考にしてください。
種類 | サイズの例 |
---|---|
大皿 | 直径 300~400mm |
ディナー皿 | 直径 約200mm |
小皿 | 直径 約110mm |
飯碗 | 直径 約130mm(5個重ねて高さ100mm) |
ワイングラス | 約50mm(高さ130~200mm) |
ミラーマットやプチプチ(エアキャップ)、更紙・クラフト紙などは切ってあるものの方が作業効率がアップします。
丁寧な梱包で破損ゼロへ
皿や陶磁器だけではなく、調味料やワインボトルなどの割れ物は割れの原因を知っておくことで、破損を回避できます。
- 外部からの衝撃による破損
- 振動により、内部に入っている商品同士がぶつかることによる破損
これらは、本体の梱包や、段ボールの隙間を埋めたり段ボール内部にプチプチ(エアキャップ)を巻いたりすることで軽減されます。
もちろん、高いところから落下するほどの衝撃があった場合はこの限りではありません。しかし、軽い衝撃や揺れであれば、上述の梱包方法で問題ないでしょう。
上記の内容を確認し、食器や陶磁器、割れ物が破損しない梱包を目指してください。
ダンボールワンでは食器やガラス製品といった割れ物の梱包にぴったりな資材を豊富にご用意しております。
また、お引越しや商品発送に適した梱包材もございますのでぜひご検討ください。