メルカリで売れた植物を発送する際には、可能な限り良い状態のまま届けなくてはいけません。
植物は生き物なので、物を梱包する時とは異なる丁寧さが求められます。
また、植物の発送は「種子」「抜き苗」「土つき(ポット苗)」で大きく異なります。本記事では、メルカリで植物が売れた場合の梱包方法から発送方法まで詳しく解説するので、参考にしてください。
植物の梱包と発送方法
送りたい植物がどんな状態であるか、どんな大きさや形であるかなどによって、梱包に必要なものや梱包方法は様々です。ここでは「種子」「抜き苗」「ポット苗」の3つに分け、それぞれ梱包例を紹介します。
種子
「種子」は比較的傷みにくいため、簡単な梱包で送れます。
- 封筒またはOPP袋
- 包み紙
- 気泡緩衝材
- 粘着テープ
- 包み紙で包む
配送中に中身が散らばらないよう、包み紙とOPP袋で包みます。 いくつかの種類を一緒に同封する場合はそれぞれ分けて包み、OPP袋に何の種子であるか名前を明記しておくと良いでしょう。 - 気泡緩衝材で包む
必須ではありませんが、トラブル防止のために気泡緩衝材で包んでおくと安心です。 - 封筒に入れる
種子は、後述する「第四種郵便物」というサービスを利用するとお得に送れます。この第四種郵便物では、受付の際に、箱を開封して郵便局の窓口担当に中身を確認してもらわなければなりません。そこで可能であれば中身が見える「窓付き封筒」か、もしくは透明なOPP袋を封筒代わりにすると良いでしょう。 強度が気になるようであれば、梱包した種子をダンボールに粘着テープで固定する方法もおすすめです。
前述のとおり、「第四種郵便」での発送がおすすめです。50g以内なら73円ともっとも安い料金で送れます。ただし、第四種郵便は重量によって料金が上がり、重さが150gを超えると送料は210円になります。対してメルカリ便のネコポスは、A4サイズで厚さ3cm以内、重さ1kg以内で一律175円です。150g以上の種子を送る場合、ネコポスを使ったほうがお得になるので注意してください。
(第四種郵便については、「3.植物を発送できる「第四種郵便」」を参照ください)
抜き苗
土を落として苗だけの状態になっている「抜き苗」での発送は、梱包サイズが小さくなるため送料を抑えられるほか、土こぼれしないメリットがあります。その反面、土がないことで配送中に植物の状態が悪化する可能性もあり、注意が必要です。
- ペットボトル
- キッチンペーパーまたはティッシュペーパーや綿
- ラップまたはアルミホイル
- 植物保護カバー
- 粘着テープ
- 根をキッチンペーパーとラップで包む
水で濡らしたキッチンペーパーで、根の部分をやさしく包みます。
水漏れを防ぐために、さらにその上からラップやアルミホイルで包んでテープで留めます。 - 植物を保護する
花や葉などを損なわないよう、必要に応じて植物保護カバーで保護します。 - ペットボトルに入れる
ペットボトルはよく洗って水気を取り、ラベルを剥がして中が見える状態にします。 植物がペットボトルの口に入らないサイズであれば、ペットボトルをカットして中に入れ、その後でカットした部分をテープで繋ぎ合わせます。 植物がペットボトルに入る形状でない場合は、スーパーの惣菜類が入っているパックを代用するのも良いでしょう。
苗の大きさによって異なりますが、「第四種郵便」「らくらくメルカリ便」「ゆうゆうメルカリ便」がおすすめです。料金例としては、らくらくメルカリ便が縦25cm × 横20cm × 厚さ5cm以内のサイズで450円、ゆうゆうメルカリ便が縦24cm×横17cm×厚さ7cm以内、かつ重さ2kg以内で455円です(いずれも全国一律)。
なお、第四種郵便を利用できるサイズと重さであれば、もっと料金は安く抑えられます。
(第四種郵便については、「3.植物を発送できる「第四種郵便」」も参照ください)
ポット苗
土に植わった状態の「ポット苗」は、植物を比較的良い状態のまま発送できます。
土があるため、配送に時間がかかっても水分の心配がそれほどないというのも良い点です。
ただし水漏れを起こさないよう、発送当日の水やりは控えましょう。
なお、抜き苗に比べて重さがあるため、送料は高くなる場合が多いです。
- ダンボール
- ビニール袋
- プチプチなどの気泡緩衝材
- 発泡スチロール
- 植物保護カバー
- 透明フィルム
- 粘着テープ
- 土こぼれ対策する
ポット苗の発送でもっとも重要なことのひとつは「土をこぼさないこと」です。
ポットや鉢をビニール袋で包むようにして、植物の根元までしっかりと覆います。 - 植物を保護する
花や葉などを損なわないよう、必要に応じて植物保護カバーで保護します。 - ダンボールで梱包する
ダンボールの底面に発泡スチロールを敷いてからポット苗を置き、ポット周りの隙間は気泡緩衝材で埋めてしっかりと固定します。 - 表に注意喚起の記入をする
上下逆さまに扱われないよう「天地無用」と記入したり、上がどちらかわかるように書いておいたりすると安心です。
「らくらくメルカリ便」「ゆうゆうメルカリ便」がおすすめです。
鉢植えの観葉植物のような中〜大型サイズに対応できるサービスもありますが、荷物が大きく重くなるにつれて送料が上がります。
植物を梱包するときの注意点
配送時に損傷しないよう、梱包には細心の注意が必要です。
植物が動かないようにしっかりと固定する
土つきのポット苗を梱包する際は固定が重要です。配送中に中で植物が動いてしまうと、傷んだり土がこぼれたりしてしまいます。緩衝材を詰めてポット部分と一緒にダンボールの底に貼り付ける、半分ほどに切ったペットボトルの中に入れ、ペットボトルごとダンボールの底に貼り付けるなど、工夫して固定しましょう。
植物の周りはある程度空間をつくる
植物全体を過剰に緩衝材で包んでしまうと、植物を痛めてしまうことがあります。
例えばポット苗なら、ポットだけをしっかり固定していれば問題ありません。
なお、多肉植物のカット苗は乾燥や蒸れの心配が少ない上に軽いため、ひと箱にたくさん詰めて梱包しても大丈夫です。
植物が入っていることがわかるようにする
梱包材に透明のペットボトルを使用する、窓付き封筒を使用するなど、できるだけ中身が見えるようにしましょう。中身が見えると、配送時により丁寧に扱ってもらうことが期待できます。
中身が見えない梱包にせざるを得ない場合でも、伝票に「植物」と記入したり、梱包物に「ワレモノ」や「天地無用」と記入したりするなどの注意喚起をしましょう。
配送に適した梱包をする
よほど雑な梱包をしない限りは問題ないと思われますが、配送業者が配送に適さないと判断した場合は送れないこともあります。とくに観葉植物など大きな植物を送るときは、配送業者の窓口へ持ち込んだり、集荷をお願いすれば、配送できるかどうかを確認できるので安心して送ることが可能です。
植物を発送できる「第四種郵便」
植物の種子、苗、苗木、茎、根など、栽植に関する郵便物(「植物種子等郵便物」)は「第四種郵便」に当たります。配送中の状態に比較的左右されにくい種子や、多肉植物のカット苗などを送る際に向いています。
発送時に郵便局の窓口で内容物の確認が必要なので、一部が透明になっている梱包材を使うか、封をせずに持っていき中が見られるようにしておくとスムーズでしょう。
- 日時指定ができない
第四種郵便物は、郵送日時を指定できません。日本郵便では、土日祝日は配達自体が行なわれないので、例えば金曜日に発送すると最短でも月曜日の配達となります。植物の水分が気になるのであれば、休日をまたぐような郵送は避けたほうがよいでしょう。
日数による植物の痛みが気になる場合、少しでも早く届けたい場合などは、速達のオプションを付けられます。
(速達については、「3-4.第四種郵便物の料金一覧」も参照ください) - 植物が損傷する可能性もある
第四種郵便物は一般的な手紙やはがきなどと同様に扱われます。
ほかの郵便物の重さで潰れてしまったり、枝が折れてしまったりする可能性があるため、十分な対策をしておく必要があります。
第四種郵便物で送れない植物
- 栽植用ではない植物
食用の野菜やドライフラワー、切り花など、栽植を目的としないものは送れません(野菜の苗は可)。
それらを送る場合は、らくらくメルカリ便やゆうゆうメルカリ便など、別の発送方法を選びましょう。 - 大きな植物や重い植物
第四種郵便物にはサイズと重さに制限があります。
- 縦・横・厚さの3辺合計が90cm以内で1辺の長さは60cmまで
- 重さ1kg以内
第四種郵便物の料金一覧
第四種郵便物として植物を送る際の料金は、重さによって変わります。速達や書留といったオプションサービスもあるので、急ぎの場合や補償を付けたい場合などは付加すると良いでしょう。オプションサービスの料金は、基本の送料に加算されます。
・基本料金
50g以内 | 73円 |
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75g以内 | 110円 |
100g以内 | 130円 |
150g以内 | 170円 |
200g以内 | 210円 |
300g以内 | 240円 |
400g以内 | 290円 |
※さらに100gごとに +52円(上限1kg以内)
・速達
250gまで | +260円 |
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1kgまで | +350円 |
・書留
一般書留 | +435円(損害要償額10万円まで) さらに補償5万円ごとに+21円(上限500万円) |
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簡易書留 | +320円(損害要償額5万円まで) |
まとめ
植物の梱包には丁寧さだけでなく、植物の状態維持や土こぼれ、水漏れなどへの細かな配慮が必要です。とくに水漏れについては、他の荷物や郵便物を破損させてしまう危険があり、実際に配達員から注意を受けたというケースも見受けられます。
通常の郵便物や宅配物を梱包するときよりも、さらに慎重に梱包しましょう。
個人で利用でき、郵便物に「第四種郵便物」と赤字で明記しておけば、ポスト投函が可能です。また、郵便局の窓口で差し出す場合は、「第四種郵便でお願いします」と伝えましょう。
初めて植物を送るという場合は、ポスト投函ではなく郵便局窓口への持ち込みをおすすめします。
宅配便やメルカリ便、普通郵便を利用するよりも安く送れます。