お菓子作りの際、生地やクリームを絞り出すときに使う調理器具を絞り袋といいます。本記事では、絞り袋の種類や使い方を紹介します。絞り袋がない場合の代用品やその作り方も解説しているので、参考にして下さい。また、絞り出し袋に取り付けて使う口金の種類も、紹介します。
絞り袋とは
絞り袋とは製菓用調理器具のひとつで、円錐状の袋の先端に口金が取り付けられている物をいいます。
食材を絞り出すために使うもので、クリームを使ったデコレーション時のほか、シュークリームやクッキーを作る際にも使われます。
絞り袋の種類
絞り袋には、ビニール素材のものと、布素材のもの、そしてシリコン素材のものがあります。
また、使い捨てのものと再利用できるものがあるので、使用頻度や使用感に合わせて選んでみて下さい。
ビニール製
ビニール素材の絞り袋は、メーカーによって厚みが様々です。
比較的薄手で扱いやすく、やわらかいクリームを扱う時に向いています。
一方後述の布製のものやシリコン素材のものに比べると、破れやすいというデメリットもあります。
布製
布素材の絞り袋は、コットン製のものと合成繊維素材のものに分けられます。
コットン素材のものは内側がコーティングされているため、衛生的に利用可能です。
どちらも頑丈なので、固めの生地の絞り出しにも適しています。
シリコン素材
シリコン素材の絞り袋は、頑丈で匂い残りもしづらいのが特徴です。
耐冷・耐熱性にも優れており、冷凍保存やオーブン加熱、食器洗浄機が利用可能なものもあります。
使い捨てタイプ
使い捨てタイプの絞り袋は、手入れをしなくていいのがメリットです。
油分の多い生地やクリームを絞ったあとでも捨てるだけでいいので、時短につながります。
比較的薄手のものが多く、コンパクトに収納できるのも魅力です。
再利用タイプ
再利用できる絞り袋は洗浄して何度も使えます。
環境に優しいうえ、破れない限り何度も使えるので、買い替えの手間も防げます。
頻繁にお菓子作りをする人には、再利用タイプがおすすめです。
絞り袋の使い方
絞り袋を使う際は、正しく口金をつけ、こぼれないようにクリームや生地を入れる必要があります。
手順と絞り方を、見ていきましょう。
絞り袋の準備手順
- .絞り袋に口金を入れ、口金の先が1/3ほど出るぐらいの位置で袋の先端を切る
- 切った袋の先から口金を出す
- クリームを入れてもこぼれないようにするため、口金の上部をねじる
- ねじった部分を、口金の中に押し込んでおく
- 絞り袋の入れ口側を、外側に半分ほど折り返す
絞り袋の使い方
- 袋を高さのある容器に入れ込み、絞りたい生地やクリームを袋内に入れる
- 容器から袋を出し、カードやスクレーパーで入れたものを口金の方に寄せる
- 袋の入れ口部分をねじり、利き手の親指と人差し指で握る
- 絞り袋の準備手順4でねじった口金の先のねじりを戻し、形を整える
- 利き手の逆側の手を口金付近に添え、絞り出す
絞り袋がないときの代用品や作り方
絞り袋が手元にない場合は、家にあるキッチン用品で代用可能です。
口金を入れなくても作れるので、参考にして下さい。
ラップ
少量の絞り出しであれば、絞り袋はラップで代用できます。
【ラップを使った絞り袋】
- ラップを作業台に広げる
- ラップの中央部分にクリームやチョコレートソースを乗せる
- クリーム類を覆うように、ラップを手前から半分に折る
- ラップの中央部よりやや右側を軸に、逆三角形になるよう左側から折り込んでいく
- 最後まで折り込んだら、上部をねじって縛る
- 先端をカットして、絞り出す
ポリ袋やチャック付き袋
ポリ袋やチャック付き袋も、絞り袋の代用品として利用できます。
口金を入れて作ることも可能です。
【口金を入れない使い方】
- ポリ袋やチャック付き袋を高さのある容器に入れ込み、絞りたい生地やクリームを入れる
- カードやスクレーパーを使って、入れたものを袋の片方の端に寄せる
- 上部をねじり、親指と人差し指で握る
- 端をハサミで切り、絞り出す
【口金を入れる使い方】
- ポリ袋やチャック付き袋の角を少し切り、口金を入れ込む
- 口金のすぐ上部分を輪ゴムで留めておく
- 袋の中に絞りたい生地やクリームを入れる
- 上部をねじり、親指と人差し指で握る
- 輪ゴムをゆっくり外し、絞り出す
クッキングシート
クッキングシートを使った絞り袋は、コルネといわれます。
口金よりも細い線を出したいときに便利な技法で、アイシングやデコレーションによく使われます。
クッキングシートのほか、OPP袋でも作成できるので、使いやすい方を選んで下さい。
なおコルネを作る際は、隙間ができないように留意することが重要です。
【クッキングシートを使った絞り袋】
- 長方形にカットしたクッキングシートを、対角線で折る
- 折ったクッキングシートを広げ、折り目をガイドに直角三角形になるように切る
- 長い辺の中央が基準になるよう、円錐状に巻いていく
- 飛び出している部分を内側に折りこむ
- アイシングやクリームを入れ、上部をテープで留める
- 先端をカットし、絞り出す
【OPP袋を使った絞り袋】
- クッキングシートと同様、直角三角形になるよう切る
- 長い辺の中央が基準になるよう、円錐状に巻いていく
- 先端がとがっていることを確認し、テープで重なっている部分を固定する
- アイシングやクリームを入れ、上部をテープで留める
- 先端をカットし、絞り出す
絞り袋の口金の種類
絞り袋と一緒に使う口金には様々なものがあります。
ベーシックなものは丸口金や星口金といわれるもので、デコレーションのときによく利用されます。
口金の一例を見ていきましょう。
丸口金
先端が丸くなっているタイプの口金です。
丸いクッキーを焼く場合や、横長の絞り出しをしたいときに重宝します。
星口金
先端に切り込みのあるタイプの口金です。
口金の細かさによって仕上がりが変わるため、好みのものを選びましょう。
ホイップクリームを絞り出すときに、よく利用されます。
バラ口金
先端が細いしずく型になった口金です。
バラの花びらやフリル、ウェーブなどを表現するときによく使われます。
サントノーレ口金
丸口金の一部に切り込みを入れたような形の口金です。
フランスの伝統菓子「サントノーレ」を作るときのほか、ケーキのデコレーションにも使われます。
モンブラン口金
先端に小さな穴がたくさん開いた口金です。
モンブランの細いデコレーションを作る際に利用します。
シュークリーム口金
細長い作りになっている口金です。
シュークリームの中にクリームを詰める際に、利用します。
まとめ
クリームや生地を絞り出すときに使う絞り袋には、様々な素材のものがあります。
使用用途や使用頻度を考えて選ぶと、満足いく仕上がりが期待できます。
また、絞り袋が手元にない場合は、ラップやチャック付き袋、クッキングシートなどで代用可能です。
作り方ならびに使い方も抑え、お菓子作りを楽しんで下さい。