忙しい人にとって、配達された荷物を時間通りに受け取るのは難しいことがあり、置き配を利用したいと思う人も多いです。しかし「ゆうパックの置き配を利用したいけど、やり方がわからない」「利用する際の条件を知りたい」と思っている人も多いでしょう。ゆうパックの置き配は条件を満たし、必要な手続きをすることで利用できるようになります。この記事では置き配の利用方法やメリットとデメリットなどを詳しく解説するため、ぜひ参考にしてください。
ゆうパックの置き配とは
「ゆうパックの置き配」とは、宅配便を自宅の玄関前や指定した場所に非対面で配達するサービスです。このサービスにより、不在時でも荷物を受け取ることが可能になります。事前に指定された場所に荷物を置くことで、受取人は自分の都合の良い時間に荷物を回収できます。また、配達員との直接的な接触を避けられるため、プライバシーの保護や感染症対策などにも有効です。
ゆうパックの置き配のメリット
ゆうパックの置き配を利用するメリットは以下の3つです。
- 到着時間を気にしなくていい
- 再配達を申し込まなくていい
- 手が離せないときにも受け取れる
それぞれ詳しくみていきましょう。
到着時間を気にしなくていい
通常宅配便の受取は、配達員の到着を自宅で待つ必要がありますが、置き配を利用することで、到着時間を待つ必要がなくなります。特に忙しい日々を送る人々にとって、配達時間に縛られることなく外出が可能となり、自分のスケジュールに柔軟に対応できるようになるでしょう。
また、時間指定をした場合でも、急な用事が発生し外出する必要がある場合には、置き配を選択することで、その日の計画を変更することなく対応できます。
再配達を申し込まなくていい
再配達の申し込みを必要とする一般的な理由は、多くの人が平日に自宅で荷物を受け取ることが困難であることです。再配達の手続きは時間も手間もかかり、忙しい日々の中では煩わしいと思う人もいるでしょう。
しかし、ゆうパックの置き配を利用することで、これまで配達時間に間に合わず、別の日に再配達を申し込んでいた人も、その日のうちに受け取ることが可能です。
これにより、荷物の受け取りに関連するストレスや手間が大幅に軽減され、日常生活がよりスムーズで快適になるといえるでしょう。
手が離せないときにも受け取れる
置き配であれば手が離せないときにも荷物を受け取れます。例えば、シャワーを浴びている最中や小さな子どもを寝かしつけているときなど、荷物の受け取りが必要な瞬間に手が離せない状況はよくあります。これまではこのような状況で荷物を受け取れない場合、再配達を申し込む必要がありました。
しかし、ゆうパックの置き配を利用すれば、荷物は事前に指定された場所に配達されるため、受取人が直接荷物を受け取る必要がなくなり、このような状況でも安心です。
ゆうパックの置き配のデメリット
ゆうパックの置き配を利用するデメリットは、以下の2つです。
- 盗難・破損の恐れがある
- 条件によっては利用できない
それぞれ詳しく解説します。
盗難・破損の恐れがある
置き配は便利なサービスですが、荷物が指定された場所に非対面で残されるため、盗難や破損のリスクがあります。特に、開かれた場所やセキュリティが不十分な場所での置き配は、これらのリスクを高める可能性があります。
ネットショッピングで置き配を希望する場合には「置き配保険」に合意している事業者で購入した商品であれば、盗難が補償されているため安心です。
ただしリスクが完全になくなるわけではありません。そのため、可能な限りセキュリティが高い場所を置き配の場所として選択する、または家族や近隣の人に荷物の到着を知らせるなど、追加の予防措置を講じることが望ましいでしょう。
置き配保険とは
置き配保険とは置き配した商品が盗難にあった場合に、保険金が受け取れるサービスです。
置き配保険の適用を受けるためには、日本郵便との間で事前に合意した荷送人(おもにEC事業者)から購入し、ゆうパックで配送されている商品である必要があります。対象者は置き配を指定した注文者です。注文者と荷受人が異なる場合も、注文者が保険金の請求を行います。補償の内容は、商品の購入代金(最大1万円)であり、補償の適用回数は1年間に2回までとされています。
ただし、すべての商品が補償の対象となるわけではありません。例えば、貴金属や金券、生動物、事前に合意されていない荷送人からの商品などは対象外です。また、盗難届が提出されていない場合や、配達完了日から15日以内に請求がない場合などは補償されません。ネットショッピングする場合には、置き配保険に合意している事業者から購入すると安心です。
条件によっては利用できない
置き配には様々な条件があります。例えば以下のような特定の郵便物は置き配の対象外となるため、利用できません。
- 書留
- セキュリティゆうパック
- 保冷郵便物
- 代金引換郵便
- 返信依頼郵便
- 生ものを含むゆうパック
- 料金や運賃が必要な郵便物
- 国際書留通常郵便物
- 受取通知または保険付の国際郵便物
- 税付郵便物
ただし施錠可能で受領証発行機能を備えたロッカー型の宅配ボックス、またはアンカー等で建物の壁や柱などの建物を支える骨組みに固定されている宅配ボックスを利用している場合、書留郵便物やセキュリティサービスゆうパック、国際書留郵便物は置き配の対象となります。また後述しますが、置き配は利用場所にも条件があります。
このように、ゆうパックの置き配には様々な条件があるため、利用する際には制限や利用条件を事前に確認しておくことが大切です。
ゆうパックの置き配がおすすめな人
ゆうパックの置き配がおすすめな人の特徴は、以下のとおりです。
- 配達時間に縛られたくない人
- 仕事で帰宅が遅い人
- 再配達の手続きが面倒な人
- 小さな子どもがいる人
それぞれ詳しくみていきましょう。
配達時間に縛られたくない人
通常の配達では、配達時間帯が2時間ごとに区切られており、この時間内にいつ配達員が来るか予測がつかないため、受取人はその間自宅を離れることができません。一方、置き配を利用することで、時間に縛られずに済みます。荷物は事前に指定された安全な場所に配達されるため、受取人は配達時間を気にすることなく外出やほかの活動を自由に行えます。
仕事で帰宅が遅い人
日本郵便の通常の配達時間は、朝8時から夜21時頃までとされているため、夜遅くまで働く人々にとってはこの時間内に自宅にいることは困難です。その結果、通常の配達方法では荷物を受け取れない場合が多く発生します。
置き配を利用することで、荷物は受取人が指定した場所に配達されるため、帰宅時間に関わらずいつでも荷物を受け取ることが可能です。そのため仕事で帰宅時間が遅くなることが多い人や、夜間に活動する職業に従事している人にとって利便性高いといえるでしょう。
再配達の手続きが面倒な人
家にいる時間が不規則な人や、留守がちなライフスタイルを送る人にとって、通常の配達方法では荷物の受け取りが難しく、再配達の手続きが必要になる人も多いでしょう。再配達の手続きは、時間も労力も要するものであり、多くの人にとって面倒な作業となり得ます。
置き配の利用は、荷物は利用者が指定した場所に配達されるため、受取人が自宅にいない場合でも荷物を受け取れます。これにより、再配達の手続きをする必要がなくなり、手間と時間を節約できるといえます。
小さな子どもがいる人
小さな子どもを持つ家庭では、インターホンの音でせっかく寝た子どもを起こしてしまうという問題があります。また、子どもを見ているときに手が離せないため、配達員の到着時に直接荷物を受け取ることが困難になることもあるでしょう。
しかし置き配を利用することで、荷物は指定した場所に非対面で配達されるため、インターホンが鳴ることなく、子どもを起こす心配がなくなります。また、手が離せない時でも、自分の都合の良い時間に安心して荷物を受け取ることが可能です。このようにゆうパックの置き配は、小さな子どもがいる家庭にとって、日々の生活をより便利で快適にするための有効な選択肢です。
ゆうパック以外の置き配可能なもの
置き配はゆうパックに限定されず、ほかの郵便形態でも広く利用可能です。具体的には、以下のような郵便物が置き配の対象です。
サービスの種類 | 説明 |
---|---|
ゆうメールおよび郵便物 | 郵便受箱または差入口に入らないサイズのもので、速達、配達時間帯指定郵便、配達日指定郵便、国際通常郵便物が含まる |
レターパック | 手軽に利用でき、置き配の対象となる |
特定記録郵便物 | 国内外の特定記録郵便物が置き配による配達ができる |
EMS郵便物 | 国際速達郵便サービスであるEMSによる郵便物も、置き配を通じて受け取れる |
このように様々な郵便物の受け取りが、受取人の不在時でもスムーズに行われます。ゆうパックの置き配と合わせて、そのほかの郵便物の受け取りをより柔軟で便利にしているといえるでしょう。
ゆうパックほか置き配の利用条件
置き配を利用するには、後述する郵便局へ「指定場所配達に関する依頼書」の提出が必要です。ただし、これは住宅のタイプや荷物の種類によって異なる場合があります。住宅の状況に応じた受取方法は以下の通りです。
住宅タイプ | 使用場所 | 必要な書類 | 備考 |
---|---|---|---|
マンション(3階以上の集合住宅) | 共用玄関付近の宅配ロッカー | 指定場所配達に関する依頼書 ※ゆうパックのみの場合は提出不要 |
書留等の配達利用の場合も専用の依頼書の提出が必要 |
戸建て、アパート(2階以下の集合住宅) | 各住宅に設置した宅配ロッカー | 指定場所配達に関する依頼書 | 書留等の配達利用の場合も専用の依頼書の提出が必要 |
宅配ロッカー以外 | 物置や車庫など | 指定場所配達に関する依頼書 | 書留等の配達利用は不可 |
また置き配の利用可能な場所には、以下の条件が適用されます。
- 受取人の住所または居所と同一建物内または同一構内であること
- 郵便物等が外部から容易に見えず、事故のおそれがないこと
- 降雨等による郵便物等の汚損のおそれがなく、安全に保管できること
これらの条件を満たすことで、ゆうパックやほかの郵便物の置き配を利用することが可能です。
受け取り場所の例
置き配で荷物を受け取る場所は、いくつかの基準を満たす必要があります。おもに、荷物が外部から見えにくく、事故や損傷の恐れがなく、雨やほかの天候条件で荷物が汚損しない場所であることが重要です。
具体的な受け取り場所の例としては、以下のような場所が考えられます。
- 宅配ボックス
- 玄関前に設置された鍵付容器
- 玄関前のスペース
- メーターボックス
- 物置
- 車庫
このような場所は、荷物の安全性と保護を確保するために適しています。置き配を利用する際は、条件を満たせる場所があるか事前に確認してから利用しましょう。
ゆうパックの置き配の利用方法
ゆうパックの置き配を利用するためには、基本的に郵便局に「指定場所配達に関する依頼書」を提出、または郵送する必要があります。この依頼書には、荷物を受け取る場所の詳細やそのほかの関連情報を記入します。
なお依頼書を郵送する場合、日本郵便のホームページから専用の宛名をダウンロードして利用すれば切手は不要です。
依頼書を提出していない場合は、置き配を希望しても荷物を置いて行ってくれないため、忘れずに提出しましょう。
依頼書の提出が不要な置き配バッグ「OKIPPA」
OKIPPAとは、依頼書の提出が不要で玄関などに折りたたんで設置する吊り下げ式の簡易宅配ロッカーです。バッグタイプの装置は、簡単に開けられたり持ち去られたりすることがないように設計されています。荷物を安全に保管するため、バッグは手すりやドアノブなどに付属のワイヤーを使って固定します。これにより、不在時でも荷物を安心して受け取ることが可能です。
また、OKIPPAには盗難補償が付帯しており、万一盗難被害にあった場合にも対応できます。しかし、補償を利用するには手続きが必要であり、補償される金額にも上限があるため、購入後は補償内容をよく理解しておくことが重要です。すべての被害が補償されるわけではないので、利用前に注意点を把握し、適切に使用しましょう。
OKIPPAの商品の仕様は、以下のとおりです。
項目 | 詳細 |
---|---|
サイズ(バッグ使用時) | 約70×66cm(容量57L) |
サイズ(折りたたみ時) | 約13×13cm(厚さ5cm) |
材質 | 本体/ポリエステル(撥水加工) |
耐荷重 | 13kg |
色 | ネイビー |
内容物 | バッグ・専用ロック・内鍵、専用バンド、取扱説明書ほか7点セット |
途中で置き配の利用を中止したい場合
置き配の一時停止や中止を希望する場合、利用者は「指定場所配達に関する依頼書【一時停止】」または「指定場所配達に関する依頼書【中止】」の用紙に記入することが必要です。この依頼書は、日本郵便の公式ホームページからダウンロードでき、記入した依頼書は直接郵便局に提出または郵送します。
依頼書が郵便局に到着し、処理が完了次第、置き配のサービスは一時的に停止または完全に中止されます。
まとめ
ゆうパックの置き配は、忙しい現代人にとって便利で柔軟な配達方法です。荷物は宅配ボックス、玄関前、物置、車庫などの指定された場所へ安全に配達されます。置き配は特に時間に縛られたくない人や再配達手続きが面倒な人などにとって、大変便利だといえるでしょう。
利用には、「指定場所配達に関する依頼書」の提出が必要ですが、置き配バッグ「OKIPPA」を利用する場合、手続きを省略することが可能です。ただし、条件に合致しない場合は利用できないこともあるので、事前に確認することが重要です。