お店の発送業務をしている方や、フリマアプリをよく利用している方などは、梱包作業をする機会が多いと思います。一度や二度であれば気になりませんが、何度も大量に梱包するとなると、手間や費用が悩みの種という方もいらっしゃるのではないでしょうか。
もしかしたらその手間や費用、プチプチについて詳しく知ることで抑えられるかもしれません。
そしてプチプチを日頃からよく使用している方も、プチプチに正しい「向き」があることはご存知でしょうか。裏表を逆に使ってはいないでしょうか。
プチプチを使って、安く・正しく・安全に梱包するコツを紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
プチプチとは
「プチプチ」とは、ポリエチレンのフィルムに粒状の気泡を持たせたシートのことで、正式名称は「気泡緩衝材」といいます。
「プチプチ」は、国内で最初に気泡緩衝材を製造した川上産業株式会社の登録商標なのですが、国内シェア率がトップということもあり、「プチプチ」の名称が一般に広く知られているというわけです。
川上産業の他にも気泡緩衝材のメーカーは多数あり、それぞれに異なる名称がついています。
「エアークッション」「エアマット」「エアパッキン」「エアーバック」「エアーキャップ」「キャプロン」「ミナパック」「エアセルマット」など、気泡緩衝材が「プチプチ」以外にも複数の名称で知られているのはそのためです。
ちなみに英語では「bubble wrap(バブルラップ)」と呼ばれています。
名称が異なっても材質や性能に大きな違いはありませんので、ここではすでに一般名称化している「プチプチ」を用います。
プチプチには以下のような特徴があり、その利便性から梱包時には欠かせないアイテムとなっています。
- 軽い
梱包物の持ち運びに適しています。 - クッション性が高い
外部からの衝撃を和らげ、梱包物の破損を防ぎます。 - 柔軟性が高い
凹凸のある物でも包みやすく、また隙間を埋めることも容易です。 - 透明性が高い
梱包物が何であるか、梱包したままでも認識できます
さまざまなプチプチ
プチプチにはいくつかの種類があります。
用途によって使い分けましょう。
プチプチの選び方についてはこちらもご参照ください。→
プチプチの種類
シートタイプ
事前にカットされたシート状のプチプチです。
カットする手間が省けるため、作業時間や人件費を抑えられます。
一定サイズの物を包む場合にオススメです。
平袋タイプ
袋状になっているプチプチです。
封筒に入れるようなイメージで使用できるため、梱包の手間がかかりません。
本やCD・DVDなど、薄くて平らな物を包む場合にオススメです。
ロールタイプ
ロール状に巻かれたプチプチです。
自分で好きな大きさにカットして使用できるため、幅広く対応できます。
大きさの違う物をいくつも包む場合や大物の梱包時、箱の隙間埋めにオススメです。
「2層品」と「3層品」
プチプチには「2層品」と「3層品」があります。
気泡の粒が表に出ているものを2層品、シートで挟まれて気泡の粒が表に出ていないものを3層品といいます。
2層品は一般的によく目にするもので、しなやかで包みやすいため幅広く使用できるのが特徴です。
一方、3層品は2層品よりも丈夫で、繰り返し使用しても劣化が少ないことが特徴です。
突き刺しに対して強度があるため、角ばった品物を梱包する際にも適しています。
またプチプチ袋には3層品を選ぶと、両面とも粒の引っかかりがないためスムーズに物が出し入れできて便利です。
2層品のプチプチ袋でも、裏返し(内側の凹凸のない面を表)にすることで同様の使用感をつくれます。
粒の大きさ
プチプチについている気泡の粒には大きさの違いがあります。
用途によって使い分けましょう。
小粒タイプ
直径7mm程度、高さ2.5mm程度と、一般的なプチプチよりも粒が小さめです。
粒が小さいためシートを曲げやすいのが利点で、軽い物の梱包時や、かさばらないように梱包したい時に適しています。
中粒タイプ
直径10mm程度、高さ3.5mm程度で、一般的なプチプチがこのタイプです。
軽い物はもちろん、やや重い物の梱包まで幅広く使用されています。
特大粒タイプ
直径32mm程度、高さ13mm程度と、一般的なプチプチよりも粒がかなり大きめです。
小さい物の梱包時には向きませんが、家具や家電などの重量物の梱包時に適しています。
また、箱の隙間埋めや、箱の底に敷いて衝撃を緩和する際にも使われます。
プチプチの選び方についてはこちらの記事もぜひ参考にしてみてください。
プチプチを使った梱包のポイント
利便性の高いプチプチではありますが、誤った使い方をすると効果は薄れます。
以下のような点に注意しながら、正しく梱包しましょう。
- 梱包物の大きさに合ったプチプチを選ぶ
凹凸部を含め、梱包物「全体」を包むことが重要です。
覆いきれていない場合、それがたとえ一部でも破損の原因になりえます。梱包物に対し、プチプチはひと回り大きめのものを用意するようにしてください。
サイズが合わない場合などは、必要に応じてプチプチをカットして使用しましょう。 -
内容物によって裏表を使い分ける
プチプチには気泡の粒がある面(凸面)と、ない面があります。
どちらがオモテでもウラでもなく、どちらを外側・内側にして包んでも衝撃を和らげる効果(緩衝性)に差はありません。ただし、梱包する物によって「どちらの面を使うと良いか」には違いがあります。
基本的には、
「装飾や凹凸、角のある物を包む際は凸面を外側にする」
と覚えておくと良いでしょう。
装飾などに粒が引っ掛かって破損してしまうことを避けるためです。
また、ガラスやメッキ、アルミ素材のものには粒の跡が残る場合がありますので、これらを包む場合も(跡が気になるようなら)外側にしましょう。逆に、丸みのある物を包む際は凸面を内側にするのがオススメです。
気泡の粒と粒の間に隙間ができにくいため、物をより衝撃から守ります。粒を外側にしたほうが良いもの例 ・角や突起、装飾など、
引っ掛かりのあるもの・箱、本、DVDなど直方体のもの
・アクセサリー、フィギュア
のような精巧なもの
・ガラス、メッキ、アルミ類 など粒を内側にしたほうが良いもの例 ・球形や、曲面のあるもの
・割れやすいもの・ビン類、ワインボトル、グラス
・壺、花瓶 など -
隙間なく包んでしっかりテープでとめる
せっかくプチプチで包んでも、中で物が動いては破損の原因になりかねません。
プチプチの柔軟性を活かし、隙間なく包むことを心がけましょう。包んだ後は、プチプチが外れないようにしっかりとテープでとめます。
テープはビニール製を使うと、より頑丈に固定できて安心です。また、ビニール製のテープの代わりにマスキングテープや養生テープを使用すると、開梱しやすくなって作業性が向上します。
ただし外装材としてプチプチを使用する場合は、マスキングテープや養生テープだと運送中に剥がれる可能性がありますので使用を避けましょう。
箱を梱包する方法
STEP 1 プチプチをカットする
梱包する箱のサイズに合わせてプチプチをカットします。
STEP 2 チプチをカットする
カットしたプチプチの真ん中に箱を置き、全体を覆うようにして包みます。
余った部分はカットして調整します。
STEP 3 テープで固定する
箱とプチプチの間に隙間ができないよう注意しながら、テープで固定していきます。
プチプチの端は内側に折り込むようにして留めます。
アクセサリーやグラスなど、個別の梱包方法についてはこちらもご参照ください
役立つ梱包のコツ
知っておくと便利な梱包のコツを紹介します。
開梱しやすい梱包のコツ
プチプチはビニール製品ですので、同じくビニール系のテープと相性が良いのですが、
反面、その粘着力の強さゆえに開梱時は少々手こずるかもしれません。
開梱を楽にしたい場合は、代わりにマスキングテープや養生テープを使用する方法もあります。
剥がしやすくなるため、使用済みのプチプチをきれいに保存して再利用したい場合にも向いています。
ただし、ビニール系のテープに比べ粘着力はやや落ちますので、梱包物が衝撃に極めて弱い場合、貴重品である場合、商品である場合などは控えたほうが良いでしょう。
ゴミが少ない梱包のコツ
使用するプチプチの量を減らすことが、やはりゴミを減らす一番の方法です。
具体的な方法を以下に紹介します。
十分に空気を含んでいないプチプチを使用すると、余分に量が必要になります。
梱包時にはできるだけ新しく、気泡のしっかりしたプチプチを使用するようにしましょう。
そのうえで緩衝性に不安が残る場合や、隙間を埋めきれない場合などは、
気泡の粒がより大きいものや「3層品※」を使用することで、プチプチの量はそのままに緩衝性を上げられます。
※「3層品」については「2-2.2層品と3層品」をご参照ください。
空気を入れて膨らませたビニール袋やジップロックを、プチプチの代用品として使用するのも良いでしょう。
空気を抜けばかさばらないため、処分も楽になります。
同様に、袋入りのお菓子もプチプチの代用品として使用されることがあります。
開梱後に食べればゴミにもならず、相手によっては喜んでもらえるかもしれません。
ただしいずれの場合も、送る相手や送る物によっては適しませんのでご注意ください。
※プチプチの代用品についてはこちらもご参照ください。
また当然ながら、プチプチと比べて緩衝能力は劣ります。
梱包物が衝撃に極めて弱い場合、貴重品である場合、商品である場合などは、
プチプチを使用してしっかりとした梱包をしましょう。
梱包のコストを削減するコツ
梱包は、日常的に何度もしていると意外とコストがかかるものです。
コストを少しでも削減するためのコツを以下に紹介します。
- プチプチを安く買う
プチプチを安く購入するには「通販サイトでのまとめ買い」がオススメです。
大量に使用する場合はロール状のプチプチを購入することで費用を抑えられるほか、保管がしやすいというメリットもあります。 - 時間のかからない梱包方法を選ぶ
大量の物をそれぞれ個別に梱包する場合などは、あらかじめカットされたシート状のプチプチや、物を入れるだけで簡単に梱包できる袋状のプチプチを使用すると便利です。
梱包にかかる時間を減らすことで、人件費を削減する効果も期待できます。 - 梱包材を見直す
たとえば物を封筒に入れて送るとします。
その場合、プチプチと封筒をそれぞれで購入するよりも、あらかじめ中にプチプチの付いた「クッション封筒」を購入するほうが安く抑えられることもあります。
このように、梱包材や梱包方法を見直してみるとコスト削減につながることも多いでしょう。
過剰包装をやめたり、宅配サイズを意識して梱包物に適した大きさの外装材(段ボール箱など)を選ぶことも、必要なプチプチの量を減らせるため有効です。
プチプチの購入方法
プチプチは少量であれば100円ショップなどで購入できるほか、大量に欲しい時でも通販サイトで手軽に購入することができます。
よく使うという方はまとめ買いしておくといつでも使用できますし、価格も安く抑えられます。
どのプチプチを購入すれば良いか迷う場合は、安価で定番の「プチプチロール」がオススメです。
薄すぎず厚すぎないため、緩衝材から中量物の梱包・包装まで幅広く使用できます。
また、好きな大きさにカットできるため、さまざまな物や状況に対応できるのも利点です。
段ボール・梱包資材の通販サイト「ダンボールワン」では、プチプチロールのほか、あらかじめカットされているプチプチシート、中に入れるだけで簡単に梱包できるプチプチ袋など、用途に合わせた多数のプチプチを取り扱っております。
プチプチを購入される際はぜひダンボールワンでご検討ください。
まとめ
- プチプチにはロール、シート、袋といった種類があり、粒の大きさも大・中・小とさまざま。幅広く使用できる2層品・丈夫な3層品にも分かれるため、用途に合わせて使い分けましょう。
- プチプチには粒のある面とない面があり、どちらを表にするかは「包む物」によって変わりますのでご注意を。
- 梱包にプチプチを大量使用する際は、コスト削減を意識してみましょう。まとめ買いをすれば、大幅に費用を抑えられます。
※「プチプチ」は川上産業株式会社の商標登録です。
※「エアーキャップ」「ミナパック」は酒井化学工業株式会社の商標登録です。
※「エアセルマット」は株式会社和泉の登録商標です。